ゲームニュース

【Hothotレビュー】液晶と段違い! みずみずしさと表現力に驚く有機EL搭載ノート「富士通 CH90/E3」。ディスプレイ代わりになるHDMI入力機能も装備 – PC Watch

有機ELディスプレイを搭載する富士通クライアントコンピューティングの「FMV LIFEBOOK CH90/E3」

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が昨年(2020年)12月10日に発売した「FMV LIFEBOOK CH90/E3」(以降CH90/E3)は、何と有機ELディスプレイを採用した13.3型のノートパソコンだ。液晶ディスプレイとは一味違う鮮やかな色合いや黒の深みを堪能できる優れた表示デバイスを採用しながらも、17万円前後という実売価格はかなりお得感がある。

 CH90/E3の見どころは、有機ELディスプレイだけではない。スタイリッシュなデザインや薄型軽量筐体、HDMIの「入力」機能、スマートフォンとの多彩な連係機能、テレワーク向けのマイクやスピーカーなどビジネスユーザー向けの機能も充実しており、じつに使い勝手のよいモバイルノートに仕上げられている。

圧倒的なまでの表示能力、それを活かす小技も光る

 CH90/E3は、FCCLの2020年秋冬モデル「FMV LIFEBOOK CH」シリーズの上位モデルで、前述のとおり13.3型の有機ELディスプレイを搭載する。

 CPUはコードネーム「TigerLake」と呼ばれていたIntelの第11世代プロセッサ「Core i5-1135G7」だ。デュアルチャネルのLPDDR4X-4266対応メモリを合計8GB搭載しており、CPUの能力を引き出せる構成になっている。

 店頭販売の下位モデルとして「CH75/E3」もラインナップする。CPUやメモリの構成は同じだが、ディスプレイは有機ELではなく液晶、ストレージはCH90/E3が512GBなのに対し、CH75/E3は256GBとなる。実売価格は15万円台半ばだ。

【表1】FMV LIFEBOOK CHシリーズのスペック
モデル名 CH90/E3 CH75/E3
OS Windows 10 Home
Microsoft Office Home & Business 2019
CPU(最大動作クロック) Core i5-1135G7(4.2GHz)
メモリ(空きスロット) 8GB(LPDDR4X-4266、デュアルチャネル)
ストレージ 512GB(PCI Express) 256GB(PCI Express)
ディスプレイ 13.3型(1,920×1,080ドット、有機EL) 13.3型(1,920×1,080ドット、液晶)
通信 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.0
おもなインターフェイス Thunderbolt 4×2(USB PD/DisplayPort Alt Mode対応)、HDMI(入力/出力対応)、ヘッドフォン/マイク兼用
キーボード 日本語キーボード
カメラ 92万画素
バッテリ駆動時間 約13.4時間 約16.8時間
本体サイズ 307×207×15.8mm(幅×奥行き×高さ)
重量 約1.11kg 約988g
実売価格 17万円前後 15万円台半ば

 スマホやタブレットではない、ノートパソコンに搭載されるサイズの大型有機ELに触れるのはひさびさだったので非常に楽しみだったが、そうした期待に違わない優れたディスプレイだ。草木や葉の緑のみずみずしさ、赤い花びらの鮮やかさ、暗い滝壺内部の詳細なディテールが、圧倒的な情報量で表現される。

 これまでも表示品質が高い液晶ディスプレイにも触れてはいるが、それでもやはり有機ELの美しさには敵わないと感じる。動画再生でも、コマ落ちやカクつきのない、非常に美しくなめらかな映像が楽しめる。動画配信サービスをいろいろ試したが、しばらく映像に見入ってしまったくらいだ。

 精細感だけで見れば、解像度が同じなら有機ELと液晶でそれほど大きな違いは感じないようにはなっている。しかし夜景など、コントラスト比が強い画像や動画を表示してみると、自発光デバイスの特性や強みが際立つ。背景の夜は沈み込むように暗く、そしてその背景から浮かび上がるように人物や建物が表現される。3D映像でもないのに、奥行き感がスゴイのだ。

とくに草木の緑や花の色彩の鮮やかさは、有機ELディスプレイならでは

斜めから見ても色合いはほとんど変わらない。表現力は圧倒的とも言えるレベル

 このように有機ELの表現力は圧倒的だ。しかもCH90/E3の実売価格は、液晶を搭載するCH75/E3と15,000円前後しか変わらない。ストレージの容量もCH90/E3のほうが256GB多いことを考えると、有機ELによるコストアップはおおむね1万円前後といったところだろうか。正直、驚くほど安いと言っても過言ではない。

 こうした映像美をもっといろいろなコンテンツで楽しみたい、というユーザーにぴったりの機能が、「HDMI入力」機能である。本機の左側面に搭載するHDMIは、じつは出力機能と入力機能を兼ねている。一般的なノートパソコンのように、このHDMIを使ってマルチディスプレイ環境を作ることもできるし、BDレコーダやゲーム機などを接続し、CH90/E3をディスプレイとして利用することもできるのだ。

左側面に搭載するHDMIは、入力と出力を兼ねるマルチ端子だ。このほかThunderbolt 4ポートを装備

 HDMI入力機能は使い方も簡単で、[Fn]キーを押しながら[F12]キーを押すだけでよい。これでHDMIは入力モードに切り換わり、HDMIに挿した機器の映像が表示されるようになる。

 セガサミーの「アストロシティミニ」や「メガドライブミニ」など、最近増えてきた小型ゲーム機をいろいろ接続して試してみたところ、有機EL特有の反応速度のよさもあり、ゲームのような動きの速いコンテンツにはベストマッチの組み合わせだと感じた。いやほんとに楽しい。

[Fn]キーを押しながら、この[F12]を押すと、HDMIの入力モードに切り換わる

有機ELディスプレイでレトロゲームを楽しむのもオツなものだ

sMediaスマホデータ転送が便利だが、扱い方に注意

 ソフトウェアでは、スマートフォンなどスマートデバイスとの連係機能がおもしろい。まずはBluetoothで接続したスマートフォンなどのサウンドを、CH90/E3のスピーカーで楽しめる「スマホ音楽再生」機能を紹介しよう。

 最初の準備として、スマホとCH90/E3をBluetoothでペアリングしておく。次にこのスマホ音楽再生アプリを起動し、スマホ側で音楽を再生すればよい。いったんペアリングしておけば、スマホ音楽再生アプリが起動するたびに自動でスマホとの接続も行なう。

スマホ音楽再生アプリでシャープのスマートフォン「SH-M09」と接続した画面

 スマホ側のサウンドはすべてCH90/E3に出力されるため、「Amazon Music」や「Spotify」などの音楽配信サービスだけではなく、YouTubeなどのサウンドもCH90/E3の内蔵スピーカーを通じて楽しめるようになる。音質は、低音部はおとなしめだが透明感に秀でており、解像感の高いサウンドだった。

 標準設定では弱さを感じる低音域や、音の輪郭を補うという「Dirac Audio」という機能も搭載する。基本的にはパソコン内蔵スピーカーの域を超えていないレベルではあるが、スマートフォンやタブレットに比べれば、ステレオ感や高音部の表現力はかなり高い。出張時のホテルで、気軽に音楽やゲームを楽しむ程度なら十分だろう。

Dirac Audioではいくつかのプリセット設定から選べるほか、ユーザーの好みの設定も可能

 「sMediaスマホデータ転送」は、パソコンとスマートフォンなどとの間で、画像や書類データなどのファイル、地図アプリのURLなど簡単にやりとりするためのアプリだ。通常はクラウドを利用したり、直接ケーブルで接続するなどしてやりとりする必要があるが、sMediaスマホデータ転送を使えばPINコードやQRコードを利用して簡単にやりとりできる。

 こうした機能なので、パソコンとスマートフォン間で接続やセキュリティの設定が必要なのかと思ったが、そうした面倒な作業はまったく必要ない。CH90/E3にはすでにsMediaスマホデータ転送アプリがインストールされているので、スマートフォン側で「sMediaスマホデータ転送」をアプリストアからインストールする。準備はこれだけでOKだ。

スマートデバイス側では、アプリストアからsMediaスマホデータ転送を検索してインストールしておく

 ファイルを転送する手順も非常に簡単。パソコン側のsMediaスマホデータ転送のウィンドウにファイルをドラッグ&ドロップし、データのアップロードが完了すると、PINコードとQRコードが表示される。このPINコードを、スマートフォン側のsMediaスマホデータ転送に入力するか、QRコードを読み取れば、スマートフォン側にファイルのダウンロードが行なわれる。

CH90/E3側のsMediaスマホデータ転送の画面だ。このウィンドウ内にファイルをドラッグ&ドロップしたり、ファイルを選択したりすると、自動的にアップロードが行なわれる

アップロードが終わると、このようにPINコードとQRコードが表示される

スマホ側でPINコードを入力すると、ファイルがダウンロードされる。スマホ側からCH90/E3に転送したいときも、作業内容は同じ

 要するにこれも、クラウドを経由したファイルのやりとりの1つではある。ユーザーIDやパスワードによる面倒な認証作業を省いて簡単に使えるようにしたもの、と考えるとわかりやすいだろう。PINやQRコードを伝えるだけなので、他人とファイルをやりとりするのも簡単だ。

 ただ使い方は簡単だが、PINコードやQRコードを取得できれば誰でもファイルを取得できるので、セキュリティ面では問題がないでもない。重要なファイルを扱うのはやめたほうがよいだろう。生成したPINコードやQRコードはファイルを送る相手だけに伝え、他人に盗み見られないようにしたい。

 生成されたPINコード1つにつき、3回までダウンロードできる。なおいったんファイルが受信されると、受信用のPINコードやQRコードは30分で無効化される。受信されなくても24時間で利用できなくなる。セキュリティらしいセキュリティはほぼない機能ではあるが、こうした時間制限をセキュリティの代わりにしているのかもしれない。

ゆったりしたキーボード、CPU内蔵GPUの性能が高い

 今回試用したモデルは、深みのあるカーキ色だ。金属の質感をそのままに、鈍く光る表面加工が重厚感も醸し出している。一般的なモバイルノートのシルバーよりも、ずっと存在感があるように思う。写真ではよくわからないかもしれないので、実際に手に取って確認して見てほしい。

ヘアライン加工された金属の表面にカーキ色の渋い色合いマッチしており、非常に映える

 ディスプレイは狭額タイプで、全体的にコンパクトだ。幅は307mm、奥行きは207mm、厚みは15.8mmと、2、3年前なら12型前後のパネルを搭載したモバイルノートに近いサイズ感だ。一般的なビジネスバッグであれば、問題なく収納できるはずだ。

 キーピッチは19mmで、一般的なノートパソコンと同じだという。スペースを両脇まで使い切っているわけではないのだが、かなりゆったりしているように感じる。実際長時間タイピングしても、指先の動きは普段使っている自作パソコン用のフルサイズキーボードとほぼ同じだった。

 また、よく使うキーに関してはほぼすべて通常サイズであり、指先の動きに迷う場面がない。カーソルキーもちょっと小さいくらいで、隙間も十分取ってあるので、操作ミスを生じにくい。ただ、日本語配列ではあるがキートップにカナの印字がない。カナ入力のユーザーはちょっと注意が必要かもしれない。

キーボードはかなりゆったりとした配列だ。細くなったり小さくなったりしているキーは少ない

キートップにはカナの印字がない

 インターフェイスは非常にシンプルで、前述のとおり左側面にThunderbolt 4とHDMI、右側面に同じくThunderbolt 4とUSB 3.2ポートを1基ずつという構成だ。Thunderbolt 4は、両方ともUSB PDとDisplayPort Alt Modeに対応する。モバイル液晶やACアダプタを、左右どちらの端子につないでもよいというのは便利だ。

 ディスプレイ上部には顔認証機能を搭載するWebカメラと、4基のマイクを装備する。1つのマイクよりも広い範囲でクリアな音声を入力できるようになるため、ZoomやTeamsなどのオンライン会議アプリを利用するさいに役に立つ機能だ。

右側面のインターフェイスはType-C形状のThunderbolt 4と、USB 3.2ポートという構成

ディスプレイ上部には顔認証対応のWebカメラと4基のマイクを装備

 最後に基本的なベンチマークテストの結果を紹介しよう。比較対象として取り上げたのは、レノボの「ThinkPad T14 Gen1(AMD)」(以降T14)だ。BTOメニューからCPUを「Ryzen 5 PRO 4650G」、メモリは16GB(PC4-25600のデュアルチャネル)、SSDは1TBモデルに変更している。

 IntelのCore i5-1135G7とAMDのRyzen 5 PRO 4650Gは、どちらも中堅モデル用のCPUで標準のTDPも15Wで同じ。位置づけはほぼ同じと考えてよいだろう。メモリやストレージの容量はT14ほうが多いため厳密な比較にはならないものの、CPUの純粋な性能や、内蔵GPUの性能が現われやすい項目を中心に参考にしてほしい。

【表2】ベンチマーク結果
CH90/E3 ThinkPad T14 Gen1(AMD)
PCMark 10 Extended v2.1.2506
PCMark 10 Extended score 4,001 3,995
Essentials 9,259 8,939
App Start-up score 11,867 11,261
Video Conferencing score 7,658 7,828
Web Browsing score 8,735 8,104
Productivity 6,260 7,370
Spreadsheets score 5,513 9,063
Writing score 7,109 5,994
Digital Content Creation 4,068 4,531
Photo Editing score 6,555 6,771
Rendering and Visualization score 2,363 4,136
Video Editting score 4,347 3,233
Gaming 2,939 2,306
Graphics score 4,018 3,018
Physics score 9,633 13,451
Combined score 1,228 982
PCMark 10 Battery Test v2.1.2506
※バッテリー節約機能]を有効、液晶の輝度は40
Modern Office 11時間39分
3DMark v2.16.7113
Time Spy 1,442 1,068
Fire Strike 3,815 2,798
Sky Diver 12,180 9,902
Cinebench R23.0
CPU 3,754 5,610
CPU(Single Core) 1,330 1,170
Cinebench R20.0
CPU 1,669 2,158
CPU(Single Core) 493 452
Cinebench R15.0
CPU 654 954
CPU(Single Core) 189 176
Crystal Disk Mark 7.0.0h
Q8T1 シーケンシャルリード 2,338.89 MB/s 3,470.82 MB/s
Q8T1 シーケンシャルライト 1,449.1 MB/s 2,891.2 MB/s
Q1T1 シーケンシャルリード 1,514.32 MB/s 1,517.55 MB/s
Q1T1 シーケンシャルライト 1,256.11 MB/s 1,913.03 MB/s
Q32T16 4Kランダムリード 399.25 MB/s 725.3 MB/s
Q32T16 4K ランダムライト 248.14 MB/s 388.52 MB/s
Q1T1 4Kランダムリード 36.2 MB/s 44.01 MB/s
Q1T1 4K ランダムライト 65.73 MB/s 121.54 MB/s
TMPGEnc Video Mastering Works 7
※約3分のフルHD動画動画をH264/AVCとH.265/HEVC形式で圧縮
H.264/AVC 7分20秒 3分51秒
H.264/AVC
(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効)
52秒 43秒
H.265/HEVC 11分59秒 6分50秒
H265/HEVC
(Quick Sync Video/Video Coding Engine有効)
56秒 41秒

 PCMark 10は、総合Scoreではほとんど変わらない結果になった。しかし日常的なアプリの使用感の指標となるEssentialsとゲーム性能を反映するGamingではCH90/E3、CPUの処理性能が重要になってくるDigital Content CreationではT14がおおむね優位となった。

 グラフィックス性能を反映する3DMarkでは、CH90/E3が大きくリードし、T14を下している。Core i5-1135G7が内蔵する「Iris Xe Graphics」の性能の高さが、はっきりと示された結果だ。長らく「CPU内蔵GPUはAMDのほうが上」という状況が続いてきたが、それもTigerLake世代では逆転したことがわかる。

 その一方でCinebenchのマルチコア、そして動画のエンコード速度では、T14が圧倒的なまでの強さを見せる。Core i5-1135G7は4コア8スレッド対応、Ryzen 5 PRO 4650Gは6コア12スレッド対応というCPUのコア数やスレッド数の差が、こうした結果につながったのだろう。

有機EL搭載のノートパソコンがこんなに安くなった!

 有機ELディスプレイ搭載のノートパソコンというと、3、4年前には30~40万円前後という超高価格帯の希少種だった。最近では搭載モデルも増え、20万~25万円で購入できるようになってきたが、それでもCH90/E3ほど安いモデルはめずらしい。

 液晶パネルを搭載した下位モデルのCH75/E3の実売価格は、15万円台半ばで、重量が1kgを切る約988g。CH90/E3は約1,110gと重量の面では不利だが、有機EL搭載で17万円前後(しかもOffice Home & Business 2019つき!)であることを考えると、筆者なら文句なしにこのCH90/E3を選ぶ。

 この有機ELをノートパソコンのディスプレイ以外でも利用できるソリューションを備えたり、簡単に利用できるスマートデバイスとの連係機能など、使い勝手を高めるための機能をいくつも搭載しており、買い得感はさらに増している。各社の秋冬モデルのなかでも、もっとも注目すべき1台と言ってよいだろう。


クレジットソースリンク

もっと見せて!

Related Articles

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Back to top button