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「ジャパニーズウイスキー」に定義誕生、愛好家が重視するポイントは – Bloomberg

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「ジャパニーズウイスキー」の定義とは何か?

  世界中のウイスキー愛好家に大人気となっているにもかかわらず、数週間前までその質問に答えるのは想像以上に困難だった。米国で誕生したバーボンや英スコットランド生まれのスコッチとは異なり、日本のウイスキーには実際の産地表示に関する規則がなく、国内で瓶詰めされる限り、中身が地球上のどこに由来するものであっても構わなかった。

  「ウイスキー・ライジング:ジャパニーズ・ウイスキーと蒸溜所ガイド決定版」を執筆したステファン・ヴァン・エイケン氏は2019年にブルームバーグに対し、「日本のウイスキー製造の規則は緩いという表現で済むようなものではない。これ以上緩ければ水道水をジャパニーズウイスキーとして売れるぐらいだ」と語った。

  そんな状況にも近く変化が生じそうだ。日本洋酒酒造組合(JSLMA)が2月12日、ジャパニーズウイスキーの表示に関する新たな基準を設定したためだ。これで初めて、ジャパニーズウイスキーの明確な定義が消費者に与えられる。

Standards for Labeling Japanese Whisky

ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準(出典:日本洋酒酒造組合)

出典:日本洋酒酒造組合

  新製品については4月1日から新基準が適用されるが、経過措置として、現在製造ないし販売中の製品は24年3月31日まで適用が猶予される。日本政府もこの基準を正式に採用する見込みで、いったん法制化されれば、世界の貿易合意にも影響を与えることになる。

  影響は既にウイスキー業界全体に及んでいる。国内2位のウイスキーメーカーであるニッカウヰスキーは自社のウェブサイトで、新基準に定められた製法品質の要件に合致する商品と合致しない商品があるとして、それらの情報を開示すると説明した。

  同社の広報担当は一部の自社製品について、主にスコットランドなど外国産の原酒をブレンドしており、ジャパニーズウイスキーの要件を満たしていないと指摘。その上で、同社が優先するのは一貫して優れた味わいを生み出すことだと説明した。

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ニッカの「フロム・ザ・バレル」と「ニッカ・デイズ」はジャパニーズウイスキーの新たな基準を満たしていない

  ジャパニーズウイスキーの要件を満たさないウイスキーには、「ニッカ・デイズ」と「フロム・ザ・バレル」も含まれる。個性的な四角いボトルで知られるフロム・ザ・バレルは1980年代半ば以降、東京のバーの定番。米国にお目見えしたのは2018年だが、たちまち人気となり、ウイスキー・アドボケート誌の番付で同年の最高のウイスキーに選出された。

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シングルモルトウイスキー「山崎55」

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  一方、JSLMA理事長の神田秀樹氏が社長を務めるサントリースピリッツの広報担当は、「白州」と「響」、「季」、「山崎」を含め米国で販売されている全ての同社ブランドが新基準に準拠していることを確認した。

  日本のウイスキーが海外で大評判になったのは約10年前だが、ラベル表示に関する指針が設けられるのにこれほど時間がかかったのはなぜだろうか。

  12年に米国に帰国し、クラフトビールの輸出入会社を立ち上げるまで日本に住んでいたエリ・ラフェルド氏は、日本では他国から輸入された成分を含むウイスキーを瓶詰めして販売するのが「当たり前で、ほとんど伝統の域だ。このため人々はそれについてあまり考えない」と語る。

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Source: Mars Shinshu distillery

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Photographer: Marie Takashi

  日本ではブレンドこそが真の芸術だ。このため、原酒の蒸留所よりも優れたブレンド方法に日本のウイスキーメーカーはこだわる傾向がある。だからこそ、ニッカはジャパニーズウイスキーと呼べなくなっても、「フロム・ザ・バレル」のブレンドを守り続けることに確信を持っている。

  アサヒビールのニッカブランド輸出担当、楫恵美子氏は地理的表示に基づいてフレーバーの優劣を決めることはないと説明。輸入ウイスキーの利用が独自のフレーバーを生み出したり保ったりするのに役立つなら、現行方式は続くと述べた。

  ラフェルド氏もこの考えを全面的に支持している。「結局は味と価格、消費者の好みにかかっている。支払額に見合うほど十分にウイスキーを楽しめるかだ」という。ジャパニーズウイスキーのファンがグラスの中身をはっきり正確に知ることができるようになるのは、いずれにしても楽しみだろう。

原題:
What the New Japanese Whisky Regulations Mean for Collectors(抜粋)

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